※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。
「持株会はやめとけ」
投資の話題になると、必ずと言っていいほど出てくる言葉です。給料も資産も同じ会社に預けるのは危険だ、と。
言っていることは、正しいと思います。私も同意します。
その上で私は、2年半にわたって毎月持株会に拠出し続けてきました。そして2026年8月時点で、拠出額1,295,000円が評価額3,057,907円になっています。+1,762,907円、率にして+136.1%です。
この記事では、その全データを公開します。数字を見せた上で「なぜ増えたのか」を要因ごとに分解し、そのうちどこまでが再現性のある話で、どこからが運だったのかを正直に書きます。
結論を先に言うと、こうです。
持株会で確実に得られるのは「奨励金」だけ。私の+136%のうち、大半は自社株が上がった運の部分です。だから「奨励金の分だけ取りに行き、株価上昇はおまけと考える」なら、持株会はかなり良い制度だと思っています。
私の持株会の実績(2026年8月時点)
まずは数字から。私はこのブログで、2024年から毎週欠かさず資産状況を公開してきました。128週分の記録の、最新の断面がこれです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 拠出額(元本) | 1,295,000円 |
| 評価額 | 3,057,907円 |
| 損益 | +1,762,907円 |
| 損益率 | +136.1% |
参考までに、同じ時点でのポートフォリオ全体はこうなっています。
| 銘柄 | 拠出額 | 評価額 | 損益率 |
|---|---|---|---|
| 持株 | 1,295,000円 | 3,057,907円 | +136.1% |
| オール・カントリー | 1,150,000円 | 1,506,012円 | +31.0% |
| SNDU | 2,298,511円 | 1,403,705円 | -38.9% |
総資産は6,250,629円、元本4,780,000円に対して+30.8%です。
ここで気づいてほしいのですが、私のポートフォリオで一番稼いでいるのは持株で、一番損しているのはレバレッジ系の商品です。自分でも意外でした。「リスクを取った銘柄」ではなく、「会社が用意してくれた制度」が一番効いている。
拠出のペース
現在の設定は毎月5万円・賞与月+10万円で実施しています。
+136%の中身を分解する
「+136%」という数字だけを見ると、持株会がものすごく儲かる制度に見えます。でもそれは違います。この数字は3つの要素が混ざったものです。
要因1:奨励金(=確実な部分)
持株会の本体はここです。
持ち株会は拠出額に対して数%の奨励金が上乗せされます。仮に10%だとすると、給与から10,000円が引かれた瞬間に、11,000円分の株式が積み上がります。
これは市場の動きとは無関係です。買った瞬間に、その分だけ有利な価格で買えているのと同じことになります。
インデックスファンドの長期平均リターンが年3〜7%程度と言われる中で、この上乗せは制度として確定しています。持株会を「やる価値がある」と私が考えている理由は、ほぼこの一点に尽きます。
要因2:株価の上昇(=完全に運)
そして正直に言えば、+136%のうちの大部分はここです。
奨励金が仮に10%だとしても、それだけでは+10%にしかなりません。残りの+126%分は、私の会社の株価がこの2年半でたまたま大きく上がったという、それ以上でもそれ以下でもない事実によるものです。
私に先見の明があったわけではありません。私がやったのは「制度に申し込んで、天引き額を決めて、あとは何もしなかった」だけです。
もし同じ2年半で自社株が半値になっていたら、この記事のタイトルは「持株会で100万円溶かした話」になっていたはずです。これを読んでいるあなたの会社の株が同じように上がる保証は、どこにもありません。
要因3:ドルコスト平均法(=仕組みの効果)
持株会は給与天引きなので、株価が高いときも安いときも、機械的に同じ金額を買い続けます。
これは地味ですが効きます。「今は高いから来月にしよう」という判断が入り込む余地がありません。私は2年半、一度も購入タイミングを考えたことがありません。考えられない仕組みだからです。
投資で一番難しいのは「続けること」だと言われますが、持株会は続けることが初期設定になっているという点で、かなり優秀な仕組みだと思います。
それでも「やめとけ」と言われる3つの理由
ここからは反対側の話をします。私は持株会をやっていますが、「誰にでも勧められる」とは全く思っていません。
理由1:給料と資産が同じ会社に依存する
これが最大にして本質的なデメリットです。
会社の業績が悪化した場合、あなたには2つのことが同時に起きます。給与・賞与が減る(あるいは職を失う)。そして、保有資産の評価額も同時に下がる。
一番お金が必要なときに、一番資産が減っているという構造です。分散投資の考え方から見ると、これは明確に悪手です。
私のポートフォリオでも、持株は評価額ベースで総資産の約49%を占めています。正直、これは高すぎます。増えたから比率が上がったという幸福な理由ではありますが、それでも高い。
理由2:売りたいときにすぐ売れない
持株会の株式は、多くの場合いったん証券口座に移管しないと売却できません。手続きに日数がかかり、思い立った日に現金化することはできません。
また、インサイダー取引の規制上、決算前後など売買が制限される期間がある会社も多いです。「暴落したから今すぐ利確したい」といった動きは、基本的にできないと考えておいたほうがいいです。
理由3:やめる判断がしづらい
天引きは楽な反面、「見直さなくなる」という副作用があります。
比率が膨らんでいることに気づかないまま、気づいたら資産の半分が自社株、というのはよくある話です。実際、私がそうなりかけています。
私がやっている2つの防衛策
防衛策1:他の資産を同時に積み立てる
持株だけを積み立てているわけではありません。同じ期間、オール・カントリー(全世界株式インデックス)も並行して積み立てています。
持株が「1社の成長」に賭けるものだとすれば、オルカンは「世界全体の成長」に乗るものです。片方が沈んでも、もう片方が別の理由で動く。この2つを同時に持っておくことで、資産全体が1つの会社の決算に振り回されないようにしています。
防衛策2:比率の上限を決めておく
「持株が資産全体の○%を超えたら、超えた分は売って他に移す」というルールを持っておくことです。
正直に言えば、私はこのルールの運用がうまくできていません。前述のとおり、現在の持株比率は約49%まで膨らんでいます。この記事を書きながら、そろそろ本気で調整しないといけないな、と自分で思っています。
比率が膨らむのは「儲かっているから」なのですが、儲かっているものほど売りにくいというのが人間の性で、ここは私の課題です。
持株会が向いている人・向いていない人
向いていると思う人
- 奨励金の率が高い会社に勤めている人(5%以上あるなら制度として優秀だと思います)
- すでに他の資産を積み立てている人(持株が資産の一部で済む)
- 勤務先の財務状況をある程度理解している人
- 投資判断を毎月したくない人(天引きは強い)
向いていないと思う人
- 奨励金がない、あるいは1〜2%程度しかない会社(それなら普通に投信を買ったほうが分散が効きます)
- 持株会以外に金融資産がほとんどない人(全資産が勤務先に集中します)
- 数年以内に転職の可能性が高い人(退会・移管の手間がかかります)
- 勤務先の業績に不安を感じている人(その直感はだいたい正しいです)
よくある質問
Q. 拠出額はいくらにすべき?
私は「なくなっても生活が変わらない額」を基準に決めました。持株会は簡単に引き出せないので、生活防衛資金とは完全に切り離して考えたほうがいいです。金額そのものよりも、総資産の中で持株が何%になるかで決めるほうが実務的だと思います。
Q. NISAと持株会、どっちを優先すべき?
税制優遇の観点だけで言えばNISAが有利です。持株会の配当や売却益には通常どおり課税されます。
一方で、奨励金は「買った瞬間の上乗せ」なので、NISAの非課税メリットとは性質が違います。私はどちらかを選ぶのではなく、奨励金の率を見て、NISA枠を埋めた上で余力を持株会に回すという順番で考えています。
Q. 転職したらどうなる?
原則として持株会は退会となり、保有株式は証券口座へ移管するか、売却して現金で受け取ることになります。単元未満株の扱いは会社によって異なるので、規約の確認が必要です。
まとめ:制度の部分だけを取りに行く
- 私の持株会の実績は、拠出1,295,000円 → 評価額3,057,907円(+136.1%)
- ただし、そのうち確実性があるのは奨励金の部分だけ。残りは自社株が上がった運
- 最大のデメリットは「給料と資産が同じ会社に集中すること」。これは構造上どうやっても消えない
- 対策は「他の資産も並行して積む」「比率の上限を決める」の2つ
- 私自身、現在は持株比率が約49%まで膨らんでおり、これは反省点
持株会は、儲けるための商品ではなく、会社が用意してくれた制度の歪みを、静かに拾い続けるための仕組みだと思っています。奨励金という確実な部分だけを取りに行き、株価の上下は「おまけ」として受け止める。それくらいの距離感が、たぶんちょうどいい。
私はこれからも、毎週の記録を淡々と続けます。次の暴落が来たとき、この+136%がどうなるのか。それも含めて公開していくつもりです。
関連記事
免責事項 本記事は筆者個人の投資記録と考えを共有するものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。持株会の制度内容(奨励金率、売却手続き等)は勤務先によって異なります。必ずご自身の会社の規約をご確認ください。
